- PayPalビジネスアカウント個人の違いは?
- ビジネスアカウントの作り方は?
- PayPalのテスト方法が知りたい
この記事では、このような疑問にお答えします。
特に個人事業主の方が、これからPayPalを導入しようと検討している方向けに作成しています。
ビジネスアカウントと個人アカウントの違いや、アカウントの作成手順、そしてテスト手順まで完全網羅。
私が運営している、Welcartで作成したECサイトをもとに、作成からテストの手順まで画像付きで手順書を作成しました。
この手順を見ながら、作業すると迷うことなくPayPalのビジネスアカウントを導入できるでしょう。
それでは具体的にみていきましょう。
1.PayPalビジネスアカウント個人との違い

PayPalのビジネスアカウントと個人アカウントには明確な違いがあります。
個人でオンライン決済をするだけなら個人アカウントで十分ですが、支払いを受け取りたい場合はビジネスアカウントが必須です。
特に事業用としてPayPalを活用する場合は、最初からビジネスアカウントを作成するのがおすすめです。
1-1. PayPalアカウントの種類
PayPalには大きく分けて「ビジネスアカウント」と「個人アカウント」の2種類があります。
用途や機能に違いがあるため、自分の目的に合ったアカウントを選ぶことが重要です。
種類 | ビジネス | 個人 |
---|---|---|
支払い | ||
受け取り | ||
対象 | 法人や個人事業主 | 個人利用 |
取引名義 | ビジネス名可 | 個人名義 |
管理人数 | 複数人が可能 | 単独利用 |
ショッピングカート | ||
請求書の発行 |
1-2. どちらを選ぶべきか?
✅ オンラインショップを運営している、または予定がある
✅ フリーランスで仕事の報酬を受け取る
✅ 法人名義で取引を行いたい
✅ ショッピングカートや請求書発行などの機能を活用したい
✅ 通販サイトやサブスクリプションサービスで支払いをするだけ
✅ 友人や家族に送金したい
✅ 受け取り機能が不要
1-3. アカウントの切り替えについて
PayPalのアカウントは、個人アカウントからビジネスアカウントにアップグレードすることは可能ですが、ビジネスアカウントから個人アカウントに戻すことはできません。
そのため、最初にどのアカウントを選ぶか慎重に考えることが重要です。
2.Paypalビジネスアカウント料金

PayPalビジネスアカウントの手数料は、「3.4% + 40円」が基本となりますが、海外取引や引き出し時の条件によって変動します。
コストを抑えるためには、売上の管理や引き出しタイミングを工夫することが重要です。
2-1. 取引手数料
PayPalでの決済を受け取る際には、以下の手数料がかかります。
- 国内取引手数料:3.4% + 40円(1回の取引ごと)
- 海外取引手数料:取引の国によって異なり、基本の手数料に追加料金が発生
たとえば、5,000円の決済を受け取る場合、以下のように手数料が計算されます。
- 5,000円 × 3.4% = 170円
- 40円の固定手数料を加算
- 合計手数料:210円
- 実際の受取額:4,790円
2-2. 引き出し手数料
PayPalの売上を銀行口座へ引き出す場合、手数料がかかることがあります。
- 三井住友銀行・三菱UFJ銀行への引き出し:手数料無料(50,000円以上の場合)
- その他の銀行:250円(50,000円未満の引き出しの場合)
2-3. 通貨換算手数料
海外の顧客から異なる通貨で支払いを受けた場合、PayPalの通貨換算手数料が適用されます。
通常、為替レートに3〜4%の手数料が上乗せされます。
2-4. サブスクリプションや追加機能の利用
PayPalでは、サブスクリプション決済やEC向けの追加機能を利用することも可能ですが、それに応じた追加手数料が発生する場合があります。
PayPalの最新手数料は変更される可能性があるため、詳細は公式サイトで確認してください。
3.Paypalビジネスアカウントの作り方

3-1. Paypalビジネスアカウントの作り方の手順
①PayPalにアクセス
②新規登録をクリックします。

③ビジネスアカウントを選択して「新規登録に進む」をクリックします。

④以下の項目を入力して、「同意してアカウントを解説」をクリックします。
- 性
- 名
- メールアドレス
- パスワード

⑤reCAPTCHAのセキュリティチェックにチェックを入れます。

⑥「コードをeメールで送信」をクリックします。

⑦メールに届いた6桁のコードを確認する


⑧「開始」をクリックします。

⑨あなたに該当する項目を選択して「次へ」をクリックします。

⑩以下の項目を入力して「次へ」をクリックします。
- 生年月日
- 職業
- 自宅住所

⑪以下の項目を入力して「次へ」をクリックします。
- 目的:日本国内での資金または支払いの送金と受け取り
- 事業者名は、PayPalでお客様が購入した際に表示されます。
ECサイト名など分かりやすいものがよいと思われます。


⑫同意して続行をクリックします。

⑬撮影画面へをクリックします。


⑭職業を入力し、マイナンバーカードを選択して続行をクリックします。


⑮1時間程度で本人確認完了メールが届きます。


⑯Paypalのホームにログインして「銀行口座を登録する」をクリックします。

⑰銀行名を入力します。



3-2. お客様が誰から購入したのか表示
お客様がPayPalを通じて購入した際にメールが届きますが、デフォルトでは個人名から購入した表示がされます。

個人名でも問題なければ、そのままで構いませんが、屋号やショップ名があるのであれば、変更しておいた方がお客様にとって分かりやすいでしょう。
4.PayPalのテスト

テスト環境では、サンドボックスアカウント(Sandbox Account)を使用する必要があります。
このアカウントには、本番環境とは異なるClient IDとSecretが割り当てられています。
テスト用のClient IDとSecretを正しく入力していない場合、APIリクエストが失敗し、エラーが発生します。
本番環境の認証情報(Client ID/Secret)をテスト環境で使用すると機能しません。
4-1. テスト環境の設定(Sandbox)
①PayPal開発者ページにアクセスしログインします。
②「Testing Tools」>「Sandbox Accounts」をクリックします。

BusinessとPersonalのアカウントが自動で作成されます。
Wercart側に設定するのはBusinessアカウントです。

③ビジネスアカウント右端にある3点マーク>「View/Edit account」をクリックします。

④REST API appsの項目にある、Client IDとSecretをコピーします。

⑤WordPressのダッシュボードにログインします。
⑥Welcart Shop>クレジット決済設定をクリックします。
以下のように設定します。
- PayPal決済:利用する
- クレジットカード決済:利用しない
※これはPayPalのクレジットカード決済ではなく、PayPalを介さないクレジットカード決済の設定です。
要するPayPalを介してクレジットカード決済をする場合は、利用しないを設定します。 - 動作環境:テスト環境にチェックを入れClient IDとSecretをペーストします。

⑦画面下にスクロールしてPaypal決済の設定を更新するをクリックします。
⑧あなたのサイトの商品を買い物かごに入れ、Paypal選択し次へをクリックします。

⑨PayPalをクリックします。

⑩PayPalのログイン画面になります。
⑪SandboxのPersonalアカウント情報でログインします。

⑫「Sandbox Accounts」内にある、Personalアカウント右端の「3点マーク」>「View/Edit account」をクリックします。

⑬EmailとPasswordをコピーしてログインします。

⑭「別の方法を試す」>「パスワードでログイン」をクリック。

⑮パスワードを入力してログインをクリックする

⑯「購入を完了する」をクリックします。

⑰画面が切り替わり、購入が完了した画面になります。

⑱購入者向けと、販売者向けにメールが届きます。
支払い方法がPeypalになっていることを確認しましょう。

4-2. テスト結果の確認(販売者側)
①PayPalのSandbox Accounts(Business)のメールアドレスとパスワードでログインします。
②「Testing Tools」>「Sandbox Accounts」をクリック

③ビジネスアカウント右端にある「3点マーク」>「View/Edit account」をクリック。

④EmailとPasswordをコピーします。

⑤PayPalのサンドボックスアカウントに、先ほどコピーしたテスト用ビジネスアカウントのEmailとPasswordを使用してログインします。

⑥「取引履歴」>「すべての取引」をクリック。

⑦ステータスが完了済になっていれば成功です。

4-3. テスト結果の確認(購入者側)
①PayPalのSandbox Accounts(Personal)のメールアドレスとパスワードでログインします。
②「Testing Tools」>「Sandbox Accounts」をクリック。

③パーソナルアカウント右端にある3点マーク>View/Edit accountをクリックします。

④EmailとPasswordをコピーします。

⑤PayPalのSandboxにアクセスし、先ほどコピーしたテスト用パーソナルアカウントのEmailとPasswordを使用してログインします。
⑥最近の取引のTest Storeをクリックします。

支払いの詳細が表示されています。
注文内容と一致していることを確認しておきましょう。

4-4. テスト結果の確認(WordPress側)
①WordPressの管理画面にログインします。
②Welcart Management>受注リストをクリック。
③支払い方法がPaypal、決済IDが売上計上になっていれば成功です。

④Welcart Shop>商品マスターをクリックします。
⑤在庫数と在庫状況を元に戻して更新しておきましょう。

5.PayPalの本番環境

テストで問題がなかったら、いよいよ本番環境に切り替えましょう。
ただし、テストで問題がなかったとしても、本番環境で想定外の不具合が起こるリスクがあるので、本番環境でもテストしておくことをおすすめします。
この項では、本番環境への切り替え設定方法と、本番環境でPayPalとクレジットカード決済のテスト方法について解説します。
5-1. 本番環境に設定
①Wordpressにログインします。
②「Welcart Shop」>「クレジットカード決済設定」をクリックします。
③「本番環境」を選択して「PayPalアカウントに接続」をクリック。

④PayPalビジネスアカウントのメールアドレスを入力し、Japanを選択してNextをクリックします。

⑤PayPalビジネスアカウント(アカウント開設時)のEmailとパスワードを入力してログインします。

⑥「同意して接続する」をクリックします。

⑦画面を閉じます。

⑧PayPalのデベロッパーにログインします。
⑨「Go to Dashboard」>「Developer Dashboard」をクリック。

⑩Liveに切り替えます。

本番環境に切り替わりました。
5-2. 本番環境でPayPalをテスト
テスト環境で問題なかったとしても、本番環境でも念のためにテストを行っておくと安心です。
私も実際に本番環境で不具合が起こりました。
事前準備としてPayPalの個人アカウントを作成しておきましょう。
これは、実際にお客様としてPayPalで購入するためです。
それでは本番環境で実際に100円の商品を登録して購入してテストしてみましょう。
①WordPressにログインします。
②「Welcart Shop」>「新規商品追加」をクリック。
③以下の項目に「test」と入力します。
- 商品コード
- 商品名
- SKUコード
④送料はあらかじめ0円を設定しておきましょう。
⑤カテゴリはお勧め商品にチェックを入れます。
⑥売価(円)を100、在庫数を1と入力し、「SKUを追加する」>公開をクリックします。
⑦ショップ名>サイトを表示をクリック。

⑧テスト商品クリックします。

⑨カートに入れます。

⑩次へをクリック。

⑪PayPalを選択し次へをクリック。

⑫PayPalをクリック。

⑬Email(PayPalの個人アカウント)を入力し次へをクリックます。
⑭個人アカウントを持っていない場合は、個人アカウントに使用するEmailを入力します。

⑮クレジットカードなどの個人情報を入力の上、アカウントを作成して今すぐ払うをクリックします。


⑯以下の3つのメールが届きます。
▼ショップから購入者宛て

▼PayPalから購入者宛て

▼ショップから販売者宛て

⑰Wordpressのダッシュボードにログインします。
⑱「Welcart Shop」>「Welcart Manegement」をクリックします。
⑲売上計上になっていることを確認します。

⑳注文番号をクリックします。

㉑商品を発送したと仮定します。
㉒以下のように設定して、「設定を更新」をクリックします。
- 配送会社名を選択
- 送り状№の入力
- ステータスを発送済みに変更

㉓OKをクリックします。

㉔「メール・印刷フィールド表示」>「発送完了メール」をクリック。

㉕メール内容がデフォルトで作成されるので、あなたのビジネスに応じて修正します。
本日、ご注文いただいた商品を発送いたしました。
配送業者はスーパーセイノーエクスプレスです。
お届けは〇〇営業所止めとなっております。
営業所に到着次第、運送会社からご連絡が入りますので、恐れ入りますが、お客様ご自身で営業所までお引き取りをお願いいたします。

㉖送り状のリンクが反映されていない配送会社があります。
その場合は、以下の文言を削除しておきましょう。
「■こちらから配送会社のお届け状況がご確認いただけます。」
㉑ヤマト運輸など、リンクが反映されている業者の場合、リンク先が開けることを確認しておきましょう。

㉒以下の内容を確認の上、問題なければ送信をクリックします。
- 配送会社名が表示されていること
- 送り状番号が表示されていること
- お届け先の情報に間違いがないこと
㉓OKをクリック。

㉔設定を更新をクリック。

㉕お客様と販売者宛てにメールが届きます。
▼お客様宛て

▼販売者宛て


㉖Paypalのパーソナルアカウントにログインします。
㉘最近の取引に購入情報が表示されていることを確認してください。

㉙PayPalビジネスアカウントにログインします。
㉚最近の取引に販売した金額が表示されていることを確認します。


5-3. 本番環境でクレジットカード決済をテスト
お客様がPayPalのアカウントを取得してなくても、クレジットカード決済できるので、その方法についても問題なく購入できることをテストしておきましょう。
①商品をカートに入れ、決済画面まで進めてください。
※ここまでの手順は、項目5-2「本番環境でPaypalをテスト」で確認できます。
②デビットカードまたはクレジットカードをクリックしてください。

※「問題が発生しました。決済手続きに戻しますので、再度実行してください。」
このようなメッセージが発生した場合、設定が間違っています。


③決済が完了しました。

④お客様宛とショップ宛てに、それぞれメールが届きます。
▼ショップからお客様へ

▼PayPalからお客様へ

▼販売者宛て

▼PeyPalから販売者宛て

6.PayPalの返金手順

PayPalでの返金の流れを確認しておきましょう。
簡単に返金できます。
6-1. PayPalの返金手順
①PayPalのビジネスアカウントにログインします。
②返金したい取引IDをクリックします。

③返金手続きをクリック。

④返金を実行をクリックします。


⑤ステータスが返金済みになっていることを確認します。

⑥お客様にPayPalから返金についての連絡が届きます。

6-2. PayPal返金の注意事項
PayPal返金には注意事項があります。
なぜなら、PayPalに支払った決済手数料は返金されず、販売者の負担 となるからです。
例えば、10,000円の注文 が入った場合、
- 決済手数料(3.6% + 40円)= 400円
- 実際の入金額 = 9,600円
この取引を全額返金(10,000円) すると、販売者が負担した400円の手数料は戻らず、そのまま損失 となります。
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